「GIRL FRIENDS」感想
百合漫画のバイブルと呼ばれている名作「GIRL FRIENDS」を読みました。すごく好きなので3~4回くらい読み返しています。百合漫画のいいところが全部詰め込まれた作品なので、百合もの読んだことないけど読んでみたいという人には打ってつけなんじゃないかなと思います。
いいところ①:親愛から始まる恋愛
百合のド定番ですね。「いやいやそれはNL(ノーマルラブ:異性愛者の男女の恋愛)でも起こりうるでしょう」という意見もあるかもしれませんが、「親愛から恋愛への発展」というブランドは同性間でこそ際立つとぼくは思います。
たとえ男女で友達からカップルに発展したとしてもそれは「いやいやなんやかんや言ってもはじめからお互いその気があったんやろ?な?正直なとこな?隠さんでええよボクにはわかるから」って思っちゃう。そういう病気なので許してほしい。
いいところ②:友達に恋心を抱く自分に対する嫌悪
主人公が「女の子同士なんておかしい」という気持ちから自分のことをどんどん嫌になっていくシーンがあります。読んでいる側としてはつらいけど、欠かせない重要な場面です。
「私、最悪…」
2巻の見どころの一つですね。
いいところ③:自己嫌悪・葛藤からぐちゃぐちゃになる心
いいところ②の延長線上の話。百合漫画に出てくるすべての女の子は、自己嫌悪に苛まれ続けた結果「私は好きな女の子の一番の親友でいたいから、関係を壊さないように自分の心に蓋をしよう・嘘をつこう」と思います。必定です。
だけどそういうのは全然うまくいきません。それもまた必定。この作品も多分に漏れず、諦めようとしても心苦しくなるばかり。次第に主人公の心はぐちゃぐちゃになっていきます。
「早く離れてよ、あっこから。」
あ~そういうの、そういうの。ごめんね人のつらいとこ見て興奮してしまって。
いいところ④:かわいい
やっぱり百合の一番のポイントは「かわいい」ところだと思います。物語後半、晴れて結ばれたあとのシーンとか特にかわいく描かれます。そういうシーンに出くわすと、「二人の恋の行方をずっと見守ってきた者にのみ与えられる光景だなあ」とブツクサ唱えながら手を合わせます。ちなみにぼくはかわいいシーンを見るとニヨニヨしちゃう病気にもかかっているのですが、電車の中で突発的に発症する危険性があるので結構困っています。
男女カップルのほうが自分を投影して楽しめるという意見もあると思いますが、ぼくは自分の男性性が大嫌いなので自分とは切り離して楽しめる百合のほうが好きです。この話は別記事で書いたほうがいいな。暗くなるわ。
いいところ⑤:巻数とその構成
この作品の構成は丁寧で特徴的です。全5巻ですが、ただ長く続いている物語を5分割しているわけではありません。1巻が終わるごとに場面が大きく展開していきます。だから構成が明確で読みやすいです。単行本化することを見越しての構成にしていたんだな~、すごいな~。
「GIRL FRIENDS」の感想を書いていたつもりなのに、けっこう百合というジャンルのいいところについて書いている気がする。まあ百合もの全般ににいえる「いいところ」はこの作品にももちろん入っているので是非読んでみてください。