すきなもの

すきなものを、すきなだけ

「私は君を泣かせたい」感想

※1 なるべくネタバレしないように頑張ってます。それでもネタバレみたいになっちゃってるところがあるかもしれません。すんません。

※2 備忘録程度の気持ちで書いてます。思慮は浅いです。あんまり深くつっこまれると困ります。

 

【どんな話か(ざっくり)】

誰に対しても壁を作っている主人公「羊」の人とのつきあい方が、同級生の「ハナ」(ヤンキー)・「岸」(根暗)・「姫川」(岸と幼馴染)との関わりを通じて変化していく話

 

【印象的だったこと・思ったこと】

同じ性別の人を好きになることのままならなさ

  百合漫画を読みまくってると感覚が麻痺してくるんだけど、女の子は男の子のことを好きになる割合の方が多いわけで。

 フラれるところはつらいけどお気に入りのシーン。人間関係を保つものの脆弱性が「女の子同士」という要素によって強調された感じがする。

 (書いてる途中で気づいたけど、別に「女の子同士であること」を理由に告白を断っていたわけではないので、もしかしたらそもそもこのトピック自体が検討違いかもしれない。男女でも「親友だと思ってたのに告白された。そんなつもりはないから断った。」みたいな話はあるだろうし。)

  あと、壊れた関係の直し方がストレートで綺麗だった。これも女の子同士ならではなんかなって感じがしてよかった。

 

岸と姫川の関係からハナとの関係を考える羊

 これまで読んできた百合漫画は、メインのヒロイン二人に焦点を当ててその仲を深めていくのが多めだったけど、このマンガは別のアプローチを選択している感じがして新鮮だった。

 このマンガでは主人公でない二人(岸と姫川)にもしっかり焦点を当てて、そこから羊に「ハナとどういう関係になりたいか」を考えさせている感じがしててワァーいいなあって思った。岸と姫川の存在が、羊がハナとのつきあい方の方向性を決める上で大きな影響を与えていたと思う。他者を見て内省する感じも羊らしくてよかった。

 

他人と一定の距離を保ち続けていた羊が見せた執着

 物語が進むにつれ、羊がハナに対して少しずつ人間臭い感情を見せるようになって、その表情や行動にゾクゾクした。人間関係というすごく曖昧で流動的なもの中から確かなものを見つけ出そうとする羊がよかった。

 (まわりくどいアプローチではあるものの)羊のハナへの真っ直ぐな気持ちがよかったし、それに応えるハナも爽やかだった。

 

【おわりに】

 百合ってなにも性愛に限った話じゃなくて親愛もあるわけで、そういうところがいいなと思った。ヒメちゃんかわいい。